なんというか

久々に本を読みました。いつもどおりまとめようと思います。

今回読んだ本は、先輩から借りた本で、以下の本。

少女七竈と七人の可愛そうな大人桜庭一樹

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

男たちなど滅びてしまえ吹け、滅びの風―― 憤怒と純情の美少女、川村七竈17歳。 直木賞作家が描く、こよなくせつない初恋物語

「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竈は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。 だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、そして出奔を繰り返す母の優奈――誰もが七竈に、抱えきれない何かを置いてゆく。 そんな中、雪風と七竈の間柄にも変化が―― 雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。 解説・古川日出男

いつも通り帯コメントと裏書きの引用。

以下、読んでて素敵だなと思った部分の抜粋。ネタバレはしてないと思うよ。

  • P9l13-14「わたしにはとくにとがった部分はなくて、いうなれば平凡な白っぽい丸のような人間だった。」
  • P19l15「涙がつたって地面に落ちていく。五月雨にうたれるように。」
  • P21l16「もう五月雨は降らない。」
  • P25l13「男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの嵐。」
  • P70l18「「おかしな人! 大人って、かわいくて、かわいそう! おかしなものですねぇ!」」
  • P97l10「ここはやわらかい行き止まり」
  • P149l8-9「あぁ、時間よ止まれ。日々がただ美しいうちに。」
  • P159l16「死の匂い。死病にかかった誰かからの、暗い移り香。死だ。死がやってくるのだ。」
  • P195l2「まったく男というものは、よく死ぬ生き物であるなぁ。」
  • P208l16「「なるほど。机がもてていたんですね」」
  • P259l15-16「遊園地でみつけたかわいらしい着ぐるみから覗く、中年アルバイターの目のようにジットリ、と濁っている。」

登場人物の会話の醸しだす雰囲気がとてもいい。

今回、初めて桜庭一樹の作品に触れたけれど、結構好きかもしれない。

あと、この作品は、かもしれないけれど、美しさの表現がとても良い。色々な面から切り取ってみたり、飽きさせない表現が続く印象。

あと、美しさの関連で、色に関する表現も素敵。マフラーのエピソードはいいですね。

とまぁ雑感。300Pないくらいと薄い本でしたが、面白かった。

そんな感じー。